なんていうか、銀さんは本当にダメ男だと思う。
大切な記念日にかぎって忘れてるし、なんか他のことに夢中になってるし
彼女のことをもう少し考えてくれたっていいと思う。
ていうか肝心なときに考えてないの、ほんとダメだよ!
と、私は怒りもあらわに神楽ちゃんに愚痴を零してみた。
酢昆布で餌付け済み。
…なんでわたし、自分の誕生日なのに人にモノあげてまで愚痴を聞いてもらっているんだろう。
悲しくなってきた。
「じゃあなんでアイツのこと好きアルか」
「えっ。…だ、だってそれは、その…っ!」
酢昆布娘はおいしそうに酢昆布をしゃぶりつつニタァと笑った。
笑顔の意味が分からない。
「でも神楽ちゃんちょっと今の時間わかる!?」
「わかるわけないネ」
「深夜だよ! 真夜中! もう12時になっちゃう…ってほらなっちゃったじゃんかぁー!!」
サヨウナラ私の誕生日。
カチっと短針と長針が重なった瞬間を見てしまった。
ちっとも嬉しくなんかない!!
「アイツ来なかったアルね」
「ちょっとほんと何考えてんのアイツ普通彼女ほっとく!?」
「彼女じゃないネーノ」
「ちょ!? か、神楽ちゃ…、それだいぶ暴言アルね!」
「移ってるアルよ」
「うっせーぞ」
…きた。今更かよ!
なんであと10分くらい早く帰ってこないの!?
ほんっと信じらんない…!!
「……神楽ァ、なんでスネてんの」
「胸に手を当てて考えてみて!!」
「…めちゃくちゃ怒ってるネ」
えー俺なんかしたかぁ?あっあそこの茶屋のミナちゃんとはなんでもないんだぞ!
等と弁解しはじめた銀さんに、すごく腹がたってくる。
なんだオマエ。
あなたの誕生日に私がホールケーキを作ってあげたことも忘れたんですか。
「………銀さん一回しんでくるといいよ」
「はァ!? ちょっ、え!?」
「彼女の誕生日くらい覚えて! 馬鹿!!」
キっと睨みつけて力いっぱい叫ぶと
「……おぉ」と気付いたように、目を見開いた。
コイツ本当にろくでなしなんじゃないの…!!
「えーっと……それで怒っちゃってんの?」
「そら怒るアルね」
「ていうか誕生日終わったの! ついさっき終わっちゃったじゃん! ほんっとばかー!!」
「え、、それ銀さんちょっと傷つくから…それくらいにして…!」
うっ、と胸を押さえて苦しそうなジェスチャーをする銀さんを横目に
沸々と湧き上がってくる、たとえようの無い怒りと遣る瀬無さ。
「ばか!ばか!おたんこなす!あほ!ちび!ぼけぇー!」
「ぐはっ、ちょ、ま、マジそれくらいで…!」
「こんくらいで許してもらえると思ってんの!?」
「…悪かった! 今回は俺が悪かった! から機嫌直してよー、な?」
ぱんっと手をあわせて、頭を下げる。
…銀さんがこんな風に真面目に謝ってくれるのって、初めてだったり。
ちょっとは反省してるんだろうか。
「………今日1日」
「え?」
「ずっと一緒にいてよ」
「……おう」
「なんでも言うこと聞いて」
「…お、おう」
「今日1日、ずっとだかんね」
「……任せろィ」
じゃあ王子様、手始めにお姫様だっこでベッドまでお願いします。
はっぴーばーすでぃ!
銀さんをこきつかっちゃってくださいっ☆笑
2006*09*11
やややややば…!きゅんきゅんきた。やばい、今世紀最大きゅんきゅんきます。
ladyの千里ちゃんに「お誕生日なの」と訴えたら、なななんと…こんな素敵銀さんが!ひい!
嬉し涙がとまんないです…素敵だな、素敵だ…!
今度なんか御返し…おしつけ、ます…!(え、いらない?)(汗)
ほんっとありがとございました!