今日は大雨。しかもその内洪水になるかもしれないらしい。
普段から客なんて全くといっていい程来ないのに
こんな天気じゃあ、客ばかりか知り合いだって来やしないネ。


そうやって私が窓の外を気だるげに眺めていたときアルヨ。
万事屋の前でがブンブン手を振ってた。



「…新八ィ…が来てるアル。あそこ。」

「え、ちゃんが?嘘だあ、こんな雨の中来る人なんて居な…」

そう言いながら窓の外を見た新八が絶句した。

「…神楽ちゃん、ちゃんってバカだったっけ」

「違うネ、はバカじゃなくて天然、ってやつアルヨ。これだから新八は…(はあ)」

「溜息つくな! と、とにかく上がってもらおうよ、このままじゃちゃん、ずぶ濡れになっちゃう…」


私と新八は窓を開けて、を呼んだ。







*





いや、びっくりした。
たまたまトイレから出て玄関の方を見たら、長靴はいて傘持ったが土間ン所に立ってたからだ。


、おま何してんだ!この雨の中来るとか…もうそれ天然じゃ済ませねえ勢いなんですけど!」


「えへへー、来ちゃった。よっす銀ちゃん!」


そう言って、は笑いながら片手を挙げる。


「よっす …じゃねえって!雨降ってんのわかんなかったのかオメー…」


は人の話を聞いてんだか聞いてないんだか、玄関の上がり口に座り込んで長靴を脱ぎ始める。
可愛い長靴なんかじゃないぞ。あの…お父さんとかが庭仕事するときに履くあの黒いヤツだ。(色気もナンもねーな、おい)
新八と神楽が(珍しく)気を利かせて持ってきたバスタオルで、濡れに濡れたの髪や顔を拭いてやってから、
俺は今日、何度目かの問いをもう一度に問い掛けた。

「雨降ってただろ。何でワザワザ雨ン中…びっしょ濡れじゃねーか。」


あんま銀サンを心配させないでよ、と言おうとしたら
が言った。


「んー…だって、銀ちゃんに逢いたかったんだもん。

 雨なんて、恋のパワーの前では無力なもんですよ!」


それに神楽ちゃんと新八くんと遊びたかったし、と付け加えては笑った。












雨なんて

(06/08/30 なぜに今の時期に雨ネタなんだろう。笑)