「はーい 次の方どーぞー」


診察室からやる気のない声が聞こえてくる。
わたしの主治医の先生。主治医っても別に重い病気とかそんなんじゃなくて。
かかりつけのお医者さん、的な感覚。
若白髪で、天パで、無気力で、糖尿気味。
悪いとこを挙げればキリがないかもしれないけど、その2倍はいいところのある人。
男らしくて、かわいいひと。

わたしは彼にお熱なのです





「先生こんにちはー」


「あーちゃん、いらっしゃい。で、今日はどしたの。見たトコ元気そうなんですけど。」


「先生あのね、わたしね、胸が苦しいんです。」


「そりゃ大変だ。 レントゲンとる? スキャンする? 触診がいい? ちなみに先生のオススメは最後のやつだから」


「先生それセクハラ。 違くて、先生のこと考えると胸が苦しくなるんです」


「あー…  そりゃもう恋の病だ。間違いねーよ。しかも末期。 お薬出しときますね」



「え?」



予想外の先生の答えに驚いてしまったわたしを先生は抱き寄せて、わたしのほっぺにキスをしてくれた。
こんなことになるなんて、まさか思わなくて。 わたしは思わず真っ赤になる。

そんなわたしの顔の、すぐ近くで笑った先生の唇が、こう動いた。





 先 生 も お 前 に お 熱 な ん で す 。 











LOVESICK

(06/09/11 企画:GTISDK!!さま)