「ちゃーん、今日何曜日か知ってる?」
先生がものすっごい呆れた声であたしに聞いた。
呆れるのも無理はない、今日は日曜日。学校なんて本来は休みの日だ。
「うん知ってる、日曜日っ」
「そっかーそりゃ知ってるよなー…って尚更悪ぃんだけど。何しにきたの学校に。しかも日曜に」
眉を顰めてあたしを見下ろす先生。
あたしはニマーって笑ってこう答えた。
「先生がテストの準備とかで学校来るの知ってたから、励ましにきたのー。」
それから鞄をごそごそ探って、ポッキーの赤い箱を取り出して先生に押し付ける。
これ差し入れね、笑って見上げたら先生の驚いた顔があってちょっと嬉しくなった。
「おま、コレ…糖分じゃねーか!サンキュー」
「いーえ」
ポッキーの箱を裏返したり日にかざしたりしちゃう先生はかわいい。
普段はダメ人間のふりしてるけど、時々かっこよくて時々かわいい先生があたしは大好き。
「つーかお前、暇人だなァ…わざわざ学校来るなんて」
「えへへ、照れるなあ」
褒めてねぇっつの、先生があたしを小突いてあたしはまたえへへ、と笑って。
「先生のためならあたし、どこにだって行ってあげるよ。糖分持って。」
「何それ…嬉しい反面ちょっと怖ェんだけど。」
「だって先生があたしの世界の中心だもん」
笑ったままで大きな声で言ってやったら先生は慌ててあたしの耳元に口を近づけた。
「ばっかおめえ、誰かに聞かれたらマズイだろうが。教師と生徒が付き合ってるなんて知れたら冗談じゃねーぞ?」
あたしはさっきよりもっと大きな声で笑ってやった。誰もいないじゃん、先生の心配性ー先生の小心者ー、って。
そしたら先生がニヤリと笑って「誰が小心者だコノヤロー」、あたしをぎゅっと抱きしめた。
あたしは今、世界の中心の腕のなかに居ます。
世界の中心に会いにいきます
(08/10/01 たくさんのありがとうを
High school High life! / 酸性キャンディー / そして読んでくれた貴女)