「銀ちゃん、きょうひまっ?」
「ああー…暇っちゃ暇だけど」
そっけない返事。だけど内心はすげえドキドキしてる。お前から誘われるなんて、思ってもみなかったから。
「ほんとは忙しいの?」しゅんとしたお前の顔に、慌ててフォローする。「いや暇! すげえ暇!」、そっかよかった、お前の笑顔に今度はほっとする。
の表情はころころ変わって、そのたびに俺のきもちも転がる。恋なんて厄介だって思ってたけど、まんざら悪い気もしねえ。それはきっと、相手がお前だから。
「あのね、ちょっと話したいことがあるの」
…話したい、
こと?
「…え?」
一瞬、思考が停止。何その意味深な言い方。え? それは、期待しても、イイってこと?
「何、気になるんですけど。 今じゃダメな話?」
「うん、まだ言わない」
へへ。恥ずかしそうにが笑って。前向きな妄想とか、してしまった俺は、顔が紅くなって、慌てて手で覆う。
「じゃあその、なんだ、あの、出かける準備、してくっから、待ってろ」
ガラにもなく緊張してしまって、しどろもどろで。あー…かっこわりー…! に背を向けてから、がっくり肩が落ちる。
「うん、待ってる。」明るい声で言うは、きっとにこにこしてんだろう。いつもみたいに。イイ感じだとは思ってたけど、まさか、向こうから告白とか…ああ、いやいや、まだ告白って決まったワケじゃねえんだけど。けど、こんなの、期待すんなっつー方が無理だろ…!
いつもと同じ服でいいんだろうか、いや、ここは気合いを入れるべきなんだろうか。あーでも気合い入れすぎてもなんか期待してるみてーだし、つか、もし期待外れだったとき痛い!
どこいくんだろ、どこで、どんな風に、俺から言うべき? それとも待つべき? いやァァそんなことはどうでもいい!
とにかく、あまり待たせねーように、早く支度しねえと、な。
「っ、!」
「なーに?」
「時間、かかるから、あがって待ってて」
「はーい」
やっべ、すっげドキドキしてる。…も同じくらい、ドキドキしてるんだろうか、なんて。
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(09/02/27 銀ちゃんはいざというとき弱そう(w))