扉を開いてこんにちは、と声をかける
案の定、奥の方から銀時がどーぞーと返事をした
あたしはいつもの様に玄関で下駄を脱いで揃え、端に寄せる
ついでに銀時の靴も。ほんと、もういい大人なのにね。







居間の方へ向かうと銀時はソファに寝転がって何か読んでる(まあジャンプだろうけれども)
そんなことされちゃあたしは暇でたまらないので、そんな銀時にすがりついてこう言う。



「ねーえ、銀時、暇だねー」



銀時はあたしの方をちらりと見て、いやいや俺は忙しい。今いいトコなんだよ。だなんて寂しいコトを言った。
あたしが頬を膨らませたって一向に見ようともしない。寧ろジャンプに夢中…!(ひどい、泣いちゃうよ…!)




「ねえねえっ、何かして遊ぼうよー」

「悪ィけど俺ァ昼間から欲情できるほど器用な人間じゃないんで」

「やだ銀時変態、最低。そんなこといって実は夜まで不能なんじゃないの。糖尿だから」

「……(傷つくんだけど…)」



こっちの気も知らないで馬鹿みたいなこと言う銀時がわるいんだ
あたしは毒づいて不機嫌になる。

しばらくの沈黙。

居心地悪いから、何か話題を出さなきゃなあ、と考えたあたしが思いついたのは
子供の頃から飽きるほど何度もやった単純な言葉遊びだった



「銀時ー、しりとりしよう」

「はあ?しりとり?イイけど…お前、しりとりって…小学生ですかコノヤロー」

「うるさい。いいからやるの。 はい銀ちゃん、しりとりの『り』からどーぞ」

「しかも俺からかよ!りー…りんご」



銀時は突っ込みつつもちゃんとあたしの相手をしてくれる。



「ご? ごますり!」

「また『り』…ていうかおめー、何でゴマまで来て『すり』つけてンだ。普通ゴマの段階で止めるだろ。」

「いいじゃん…ごますりがすきなんだもん、ほら、り!早く答えてよ!」

「り、りってお前簡単そうに言うけどな、りって少ねえんだぞ!
り…りー リクエスト」

「鳥」

「おま…!いい加減しつこい!クラスの陰湿ないじめッ子みたいな意地悪してくんじゃねえよ!」

「いいからほら、銀時、り!(爽やかに微笑んで)」

「(ち…畜生!)りってなあ……あ、簡単なのまだ残ってんじゃねーか。りーすー」



















「すき」


「知ってたちゃん、しりとりって名詞しか答えちゃいけないんだよ。
銀さん、ちゃんはそれくらい分かってるお利口な子だって思ってたよ。うん」




「あたし、銀時がすきだよ」










しりとりにかこつけてちょっぴり愛の告白
銀時の顔が紅くなってあたしはしてやったりだとほくそえんだ。











すきです、

あなたがすきです


(06/08/16 こういう告白きゅんとする。あれ私だけ?)