桂さんが声を荒げる。銀ちゃんが面倒くさそうに耳をほじくる。
高杉さんはどうも興味がないみたいで、辰くんはひとり楽しそうで何よりだ。
「だが銀時、それではお前ひとりが危ないだろう」
「いーんじゃね? 俺がいいっつってんだし、なあ」
銀ちゃんがあたしの方を見たので、話を聞いてなかったあたしはとりあえず「うん」と頷く。
そしたら桂さんがすごい顔であたしを睨んで、「うんじゃない! というか適当に返事をするな!」と珍しくまっとうなツッコミを入れた。なんか悔しい。
「やらしてやればいいだろ。銀時がやるッつってンだ」
「高杉! お前までそんな…」
高杉さんは興味がないというか、やっぱり面倒くさかったみたいで。つーか、自分たちが負けるとかは思ってないみたいで。どこから湧いてくるんだその自信。いやまあ、確かにみんな強いんだけど。
辰くんはやっぱりひとり楽しそうで何よりだ。…なんでこの人強いんだろう。
「、もし失敗したら銀時は帰って来ないかも知れんのだぞ」
桂さんがあたしの肩を掴んで言った。あたしはちょっとだけびっくりしてから、もごもごと「それは困る…」って返す。「そうだろう」と桂さんが同意を求めて、あたしは「うん」って頷く。
そしたら銀ちゃんが急にあたしの両耳をふさいで、そのまま銀ちゃんの方へ引っ張って(痛いんですけど!)、言った。
「あーもうゴチャゴチャ難しいコト言わなくていいっつの。俺が戦う、俺が勝つ。んで無傷で帰ってくる。それでいいだろ」
それはもうきっぱり言い切った。なんだかすがすがしくて、ちょっとだけ、笑ってしまった。
「うん、いいよ。あたし待ってる」
桂さんはまだ不満そうだったけど、あたしと銀ちゃんはそれでいいんだ。だってあたしは銀ちゃんを信じてるし、銀ちゃんは必ずあたしのとこに帰ってくる。
あたしはここで、あたしの身を守って待っていればいい。そう、それだけのことなんだ。
それでいいのだ!
(09/03/14 JOY4時代のお話です(…))