「どうしたの総悟くん」
微笑みかけられたって今は何かを話す気になんてなれない
きみは誰にだって優しい 誰にだって好かれる
俺みたいな奴じゃあ きみには釣り合わない。
「別にどうもしてやせんぜ」
きみは優しい それゆえにきみは美しい
素直にすきだって言えればいいのに
矮小で卑屈な俺はそれすらもできずに
ただきみを独り占めしたいと
きみの「ただ一人の人」になりたいと
心のどこかで強く願ってしまっている
俺なんかじゃあきみは振り向いてくれないって解っているのに
それでも強く願ってしまっている。
「どうもしてない、って顔じゃないよ。
総悟くんらしくない。いつもみたいに笑ってよ、ほら、にっこり」
「どうもしてやせんって。お節介だなァ、さんは」
「すいませんねーえ、お節介で。」
「ホントでィ。人の心配してる暇あったら 自分の心配したらどうですかィ。」
「へ?」
「土方さん、ぼうっとしてると、他の女にとられちまいやすぜ。ああ見えてあの人はモテるんだから」
「…なんだ、知ってたの」
知ってるのなんて当たり前だ。何年もきみを見つづけて来たのだから。
きみは俺のものにならない それはちゃんと分かっている
それでもきみに想われたいと、そう思ってしまう俺を
どうか叱ってほしい。そのきみの、声で。
独占欲のそれから
(06/09/27〜11/04までの拍手お礼夢。タイトルがお気に入り)