土方さんはいつもみたいに、縁側に座ってお酒。
あたしはその隣に寄り添って、土方さんにお酌。
吹く風はまだ少し冷たいけれど、気候もかなり春めいた。
庭の梅は、きっともうすぐ開くだろう。
いい香りをいっぱいに閉じ込めて膨らんだ蕾を、あたしは見つめた。
「もうすぐ咲きますね」
「…あ?何がだ?」
「梅です。ほら、あそこの。白梅なんですよ。」
「へェ」
土方さんにも教えたくて指を差す。
けれど、返ってきたのはへえ、…なんてそっけない返事。
土方さんも喜ぶとおもったのに、ちょっぴり残念。
「…土方さん、興味ないんですか?」
問いかけると、不意に抱きよせられる。
土方さんの胸元に寄せた頬は、なんだかすこし熱くなった。
「庭の花より、俺ァこっちの花のが興味有る」
目を閉じれば、冷えた肌に土方さんの温度が心地よくて、
いつも吸うせいか土方さんにしみついた煙草の香りに、とても安心した。
土方さんの大きな手があたしの髪を撫でて、それから耳元で土方さんの低い声が響く。
「、いい匂いすンなあ」
どうやら、お互い様みたいだ。
薫風は梅が運ぶ
(08/03/05〜09/04/03までの拍手お礼夢。 土方さんヘンタイ…!)